前回、下記のような記事を作りました。
この記事を見て、「よし、自分も高配当株投資にチャレンジしてみよう!」と思ったは良いものの、いざ始めようとした時に、
始めようとしたけど、理解が十分なのか自信がない…
特に何に気をつけるべきなのか、まだ不安がある…
と、なかなかスタートできない人もいるのではないかと思います。
そこで今回は、投資初心者の方へ、
- 高配当株投資の始め方
- 高配当株の魅力
- 気をつけるべきポイント
について、わかりやすさ重視で解説していきます。
高配当株投資とは
高配当株投資の始め方について話す前に、まずは「高配当株投資とは何か」について、改めて整理したいと思います。
高配当株投資は、配当金を狙って株式を買う投資法のことで、配当金の多い割安な株式を購入することで、資産を形成していくような方法です。
株価の値上がりによる利益を得るためではなく、保有する株式から得られる配当金をメインにする投資法のため、短期間の値動きにとらわれにくいメリットがあります。
高配当株投資の始め方
では、実際に高配当株投資を始めようと思った時に、どんなステップを踏んで始めれば良いのかについて解説します。
まずは概要から整理しましょう。
高配当株投資の始め方3ステップです。
- 高配当株投資について知る
- 専用の口座(証券口座)を開設する
- 購入する株式の銘柄を選んで買う
このステップを順番に踏んでいくことで、近い将来、「配当金を受け取る」というところにたどり着くことができます。
それでは、順番に見ていきましょう。
ステップ1:高配当株投資について知る
言わずもがな、株式への投資には基本的にリスクが付きものです。
株式投資についてよく知らないまま始めるのは、とても危険です。
最終的に「知っておいたほうが良いこと」というのは、たくさんあります。
いずれ株主となる会社の財務情報を得るためには、簿記の知識や証券分析と呼ばれる分野の勉強をすることがあるかもしれません。
とはいえ、上記の知識を持っていないからといって、いつまでも始めないのはもったいないです。
「全ての準備ができてから投資を始めよう」なんて悠長に構えていても、結局何もしないというパターンに陥ってしますことでしょう。
「まずは動き出す」ということも非常に大切で、経験が教えてくれることも沢山あります。
ステップ2:専用の口座(証券口座)を開設する
高配当株に関わらず、株式や投資信託などを購入するには、専用の口座(証券口座)を持つ必要があります。
ネット証券の口座なら、無料で簡単に開設をすることができます。
中でも「楽天証券」は、投資で楽天ポイントが貯まったり使えたり、米国株も簡単に買うことができたりと、とても使い勝手が良いのでおすすめです。
高配当株投資は、米国株がメインになってくると思います。
アメリカの経済は成長を続けており、元気な企業も多く、配当金についても日本よりも安定して出す傾向があります。
日本株を買おうとすると、「最低100株から」という制約が付きますので、最初からまとまった資金が必要になってしまいます。
その点、米国株は1株から購入可能なので、少額からでも配当金がもらえます。
ステップ3:購入する株式の銘柄を選んで買う
証券口座が開設できたら、次はいよいよ購入する銘柄選びです。
数ある銘柄の中から、「ここだ!」と思える株式を購入する瞬間。
ここが一番楽しくて、一番学びがいのあるところです。
少しずつ高配当株に関する知識を増やして、良い選択ができるようになっていければOKです。
「勉強しつつ実践する」というアクションを続けていくことで、知識や経験がどんどん得られていくことでしょう。
ゴール!:配当金の受け取り
ステップ3まで上手くできれば、いよいよ「配当金の受け取り」という名のゴールにたどり着くことができます。
どんな銘柄であっても、「配当金を受け取る」というところまで来れれば、最初の取り組みとしては満点です。
配当金が銀行口座や証券口座に振り込まれるように設定しておけば、受け取りのための作業は特に必要ありません。
メールなどで届く配当金のお知らせを見ているだけでOKです。
投資金額が小さいうちは、もちろん配当金もごくわずかですが、数十円・数百円でも、配当金を受け取った時というのは、嬉しいものです。
自分が働いていなくても不労所得が入った!
というような感覚を味わうことができます。
高配当株投資の魅力
高配当株投資の始め方を学んだところで、次は「高配当株投資の魅力」を5つ解説していきます。
- 不労所得が得られる
- 株価に振り回されなくていい
- 将来が読みやすい
- 株価と配当、どちらの成長も期待できる
- プロのトレーダーと戦う必要がない
それぞれ順番に見ていきましょう。
魅力1:不労所得が得られる
不労所得は、増えれば増えるほど生活に余裕が出てきます。
不労所得だけで生活費が賄える状態のことを最近では「FIRE」と表現していたりもしますね。
配当金は、完全なる不労所得です。
つまり、働かずに得られるお金です。
寝ていても、遊んでいても、忘れていても、配当金は自動的に入ってきます。
これを数万円の投資から味わえるのは、高配当株投資の大きな魅力といえます。
魅力2:株価に振り回されなくていい
株価は毎日、上がったり下がったりと変動を繰り返します。
しかもそれが不規則ですから、将来の株価を予想するのは難しいわけですね。
ですので、投資方法によっては、上下する株価をずっと見張っている必要があったり、株価の小さな変動に一喜一憂する羽目になったりしてしまいます。
高配当株投資は、上記のような方法をとりません。
株価の値上がり益を利用してお金を得るのではなく、企業から配当金をもらうことでお金を得るのですから、日々の小さな株価変動は、気にする必要がありません。
もちろん、高配当株銘柄にも暴落リスクがありますので、「長い目で見て資産が減らないこと」は前提条件としてありますが、基本的には、配当金が定期的に入ることによる安定的な利益を享受することができます。
忙しくても取り組めるし、毎日株価を血眼になってチェックする必要もありません。
「平和な気持ちで日々生活できる」という魅力があります。
魅力3:将来が読みやすい
先ほども少し触れましたが、未来の株価を正確に予想できる人はいません。
財界の著名人や、証券アナリストなどの有識者でも当てられないものを、一般人が当てられるわけがありません。
しかし、配当金であれば、企業の出している「配当予想」から、半年後や1年後の配当金を予測することができます。
もちろん、途中で減配する(配当金が減らされる)リスクもありますが、それほど頻度は高くはありません。
- 1年後の株価
- 1年後の配当金
上記のどちらが予測しやすいかと言われれば、圧倒的に「配当金」です。
「連続増配株(毎年配当を増やし続けている株)」と呼ばれるような銘柄を選定し、投資を続けていけば、毎年の配当金が増え続けていくことも全く夢ではありません。
魅力4:株価と配当、どちらの成長も期待できる
高配当株投資においては、お金が増えていく道筋を2つイメージすることができます。
それが「株価」と「配当」の2つです。
- 成長中の企業の株が、たまたま安い時に買えた
- 景気が良くなり、株式相場全体が高くなってきた
上記のようなケースにおいては、株価の値上がりにも期待することができます。
配当金がもらえて、株式そのものの値段も上がっていくような状態ですね。
もちろん、株価が下がるリスクもあるので、「いかに割安に買えるか」というところをこれから勉強していくイメージですね。
ちなみに、割安株のことを「バリュー株」と言ったりもします。
投資をする際にどこかでまた出会う単語だと思いますので、今は頭の片隅にでも入れておいてくださいね。
魅力5:プロのトレーダーと戦う必要がない
改めての説明になりますが、株式投資の稼ぎ方には、以下の2種類があります。
- 売り買いの差額で利益を得る
- 配当金をもらって利益を得る
「売り買いの差額で利益を得る」というのは、単純に言えば「安い時に買って高い時に売る」という投資です。
例えば、1株2万円の株を、3万円になった時に売れば、差額の1万円が利益になります。
実は、この方法はとても難しいわけですね。
「株を安く買う」というのは、「株を安く売ってしまった人がいる」というのとほぼ同義です。
同時に、「株を高く売る」というのは、「株を高く買ってしまった人がいる」というのとほぼ同義です。
つまり、自分が利益を得るためには、他の人よりも上手く売買をしないといけないということです。
この「他の人」の中には、プロのトレーダーも含まれます。
プロトレーダーと同じかそれ以上の実力が無いと、値上がり益によって利益を得続けるのは難しいでしょう。
それに対し、高配当株投資も含まれる「配当金をもらって利益を得る」というのは、「株式を持って会社を応援し、その会社で利益が出たら、一部を配当金として分けてもらう」という投資です。
この方法ならば、プロトレーダーを含む他の人と戦う必要がないわけですね。
企業の成長をゆっくりと応援するという、誰も傷つかない、暖かい投資法ということもできます。
高配当株投資で気をつけるべきポイント
高配当株投資を続けていくと、どんな未来が待っているでしょうか?
5つの魅力をもとにまとめていくと、下記のような未来が予想できませんか。
- 毎月5万円の配当金が不労所得として手に入る
- 老後の心配をしなくてもいい(公的年金+配当金で豊かな生活)
- 株価の動きに一喜一憂せず、穏やかに生活できる
このように聞くと、
早速始めたい!!
と思うかもしれません。
でもその前に、ちょっとだけ知っておいてほしいことがあります。
ここでは、これから高配当株投資を始めようと思っている人に向けて、気をつけるべきポイントについて解説します。
実は高配当株投資というのは、損をする可能性もあるし、大金持ちになれる可能性は低い投資法だし、お金に関する勉強を続けていく必要があるなど、弱点もそれなりにある投資法です。
高配当株投資の失敗を防ぐために必要にある、大事なポイントは下記の5つです。
- どんなリスクがあるのかを知る
- 少額からスタートする
- 保有銘柄は分散させる
- 大金持ちになれる期待はしない
- ひたすらステップアップを続ける
それぞれ順番に見ていきましょう。
ポイント1:どんなリスクがあるのかを知る
高配当株投資といえど、株式投資であることに変わりはありません。
当然のことながら、そこにはリスクが存在します。
投資を始める前に必ず、どんなリスクがあるのかを知っておきましょう。
こんなことになるなんて知らなかった…
と、後から後悔しそうな投資の仕方は、特に初心者のうちはは避けるべきです。
また、リスクを想定した結果、怖いと思ったら、投資自体を避けたほうが良いかもしれません。
リスクを受け入れられない人は、投資をしても常に値動きが気になってしまったりして、本末転倒に鳴るパターンが想定されます。
高配当株投資の損するパターン
高配当株投資において、損をしてしまうパターンは次の2通りです。
- 株価が下がる
- 配当金が減る(減配)
株価が下がる
株価は、毎日変動しています。
上がることもあれば、下がることもあるわけです。
もし投資先の会社が倒産してしまえば、株式の価値が0円になってしまう可能性もあります。
ここまで行かなくても、株価が半値くらいになってしまった例は後を経ちません。
例えば、2009年前後のリーマンショックの際には、多数の株式で売り注文が殺到し、株価が半分くらいまで下落してしまった会社が続出しました。
今は株価がすっかり回復している会社も多いですが、暴落時にそのまま倒産してしまったり、暴落後何年も下がりっぱなしになってしまう可能性もあったわけです。
実際に、株式の種類や投資の時期によっては、上記のようなことが現実に起こっているわけです。
「株価が下がって戻ってこない」という現象は、株式投資全般におけるリスクの代表格と言えるでしょう。
配当金が減る(減配)
会社が出す配当金の金額も、ずっと一定というわけではありません。
今年は1株あたり50円の配当をもらうことができたとしても、来年は1株あたり40円になってしまうかもしれないですし、逆に1株あたり60円になるかもしれないです。
会社の業績が悪化したりして、配当に回せる利益がなくなってしまった結果、「今回の配当金は無しです」と言われる可能性もあります(これを無配といいます)。
配当金が出せないような経営成績の場合、そのような株式を売却する動きが加速し、同時に株価も下落する可能性が大きく、無配+株価下落のダブルパンチを食らってしまう可能性もあります。
このようなことからも、株式投資というのは、相対的には非常にリスクの高い金融資産ということができるでしょう。
上記のことから、リスクをなるべく小さくするために、株式に投資をする際には、複数の会社に分散して投資をするなど、出来る限りの対策が必要になるのです。
一般的に配当金は、株価よりは乱高下しにくい性質がありますので、高配当株投資をする際には、目先の株価にとらわれず、安定的にキャッシュフローを積み上げていく長期目線が重要といえます。
ポイント2:少額からスタートする
リスクを考えれば当然、いきなり大金を株式に投入することがどれほど危険なことかは容易に想像できると思います。
実際に投資をする際には、生活費に大きな影響を与えない程度の少ない金額で、少しずつ練習をしていくようにしましょう。
具体的には、
- 株価が半分になっても笑い話にできる
- 配当金が出なくてもがっかりするだけで済む
くらいの金額にしておくと良いでしょう。
今までの貯金を全部投資しよう!
退職金で一気に株式を購入し、配当を年金代わりにしよう!
上記のような考え方は、かなりのハイリスクを取っていると言わざるを得ません。
ポイント3:保有銘柄は分散させる
高配当株投資をしていると、株価が下がったり、配当金が減ったりすることが起こります。
そんなときでも、資産額や配当金の減り方を軽減してくれる方法が、「分散投資」です。
1〜少数の株式をたくさん買うのではなく、多くの株式を少しずつ購入していく方法です。
多くの株式を所有していると、「A,C,E社は下がったけど、B,D,F社は上がっている」というような感じで、株式ポートフォリオ全体としては損しにくくなっていきます。
高配当株投資においては、とにかく徹底的に分散投資していくことが重要です。
なぜなら、「高配当株投資をなぜするのか?」を考えた時に、「安定して配当金をもらい続けること」が目的になってくる投資方法だからです。
少ない種類の株式にたくさんのお金をつぎ込むのは、高配当株投資ではNGの手法です。
ポイント4:大金持ちになれる期待はしない
投資で大金持ちになることを目指したい、特に、短期的に大金持ちになりたいのであれば、高配当株投資は合っていません。
配当金の相場は、株価の数%程度です。
お金を少しずつ増やしていきたい人や、老後の年金の足しにしたい人、家計を少し楽にしたい人には向いている投資方法ですが、一気に資産を10倍・100倍にしたいような人には全く向いていません。
「配当金のみで生活する」というのを目指す場合、その種銭は投資以外の別の方法で調達していく必要性が出てきます。
給与の年収を上げたり、起業して稼いだり、別のリスクを取って大きく利益を上げたりする必要があるわけです。
この点を勘違いして、
高配当株でがっつり稼ごう!
という気持ちで投資をスタートすると、資産形成の遅さに気持ちがくじけてしまうでしょう。
ポイント5:ひたすらステップアップを続ける
最初の配当金をもらって喜びを味わっても、そこで止まってしまってはいけません。
次の段階に向けて歩みを進めることが大切です。
重要なのは、「振り返ること」と「知識を増やすこと」です。
- 当初の計画通りの配当はもらえたか?
- 中長期的に見て、株価はどのように動いてきたか?
- 自分の目的や性格に合った投資法になっているか?
上記のようなポイントを確認し、下記のようなステップアップにつながる行動を起こしていきましょう。
- お金の貯め方を学び、株式の購入資金を増やす
- 簿記の知識を身に着け、企業の財務情報を理解できるようにする
- 投資対象について複数の観点から調べ、よりよい株式を選定できるようになる
- 外国株の買い方を知って、挑戦してみる
- 他の投資方法についても勉強してみる
高配当株投資が合っている人、合っていない人
高配当株投資は、他の株式投資と同様、損をする可能性もある方法です。
高配当株投資のみで大金持ちになることもできませんし、お金についての勉強もそれなりに必要です。
そのため、地道にコツコツ知識を身に着け、継続的に投資することが出来る人にはおすすめの投資方法です。
きっと家計が少しずつ楽になっていくことでしょう。
これに対し、投資で一発当てたい人や、全くリスクを取りたくない人にとってはおすすめできない方法です。
高配当株は、キャッシュフローを安定させてくれる可能性の高い投資方法ですが、高配当株のみに過度な期待をするのはNGです。
まとめ
本記事では、高配当株投資の基礎について解説してきました。
高配当株投資の概要や始め方、気をつけるべきポイントなどを網羅しましたので、高配当株投資が自分の投資目的に合致している場合は、ぜひ始めてみてください。
実際に投資を始める際は、楽天証券がおすすめです。
ネット証券なので、口座開設もネットで楽ですし、実際の取引もアプリを使って行うことができます。
誰にでも「初めての投資」があります。
高配当株投資が自分の投資目的に合っていると思ったら、まずは第一歩を踏み出してみてください。
お金の知識を網羅的に付けたい方は、下記の書籍を読むことをおすすめしています。
マネーリテラシーを付けて経済的自由を目指したい場合は、ぜひ読んでみてください。
コメント