投資初心者が正しく資産運用を始めるには?重要な考え方と超シンプルな方法を解説

投資のスキル

今まで投資や資産運用について無知だった人も、NISAやiDeCoなどの普及に伴い、

自分も資産運用、始めてみようかな…

と思い始めているかもしれません。

そういった時によくあるのが、

何からやったら良いのかわからない!

という悩み。

一口に"資産運用"といっても、投資方法や投資対象は無数に存在するため、選択肢が多すぎて何から始めたら良いのかわからない、というハードルにぶつかる人が多いです。

そこで本記事では、資産運用を始めようとしている投資初心者の方に向けて、何から始めれば良いのかをアドバイスしたいと思います

資産運用のスタートのヒントになれば幸いです。

資産形成の基本

まずは、資産形成についての基本的な考え方から確認していきましょう。

一般的な資産形成の方法は、下記のステップの繰り返しです。

  1. お金を貯める(収入を上げる・支出を下げる)
  2. 金融資産を買う

基本的には、これだけです。

これだけなのにも関わらず、なぜ投資で失敗してしまう例があとを絶たないのか?

それは、「資産ではなく、ぼったくり商品を買わされてしまっているから」の場合がほとんどです。

投資詐欺的なものももちろん含まれますが、一見合法的なものでも、手数料や利子などが非常に高かったりするので、くれぐれも気をつけましょう。

投資初心者にとって重要な5つの考え方

投資初心者のうちは、まだ金融リテラシー(お金に関する知識や思考)が成熟していない場合がほとんどです。
この状態で投資を始めようとしても、先述したようなぼったくり商品を掴まされてしまうのがオチです。

ここでは、投資を始める前に知っておいて欲しい5つの考え方をお伝えします。

お金を貯めるのが最優先

まだ資産を持っていない人にとって、お金を生み出す唯一の手段は何でしょうか?

それは、「自分の労働力」です。

給与を稼いで、無駄遣いをせずに貯蓄に回し、その貯蓄の一部を投資に回す。
こういうサイクルを繰り返していきます。

投資をするにも、種銭がなければ投資できませんよね。
どれだけ利回りの良い投資ができたとしても、種銭が少なければ利益も小さなものになってしまいます。

投資の世界において、種銭は重要です。

資産形成において重要なのは「家計管理能力」

自分が今いくら持っていて、今後どれくらい稼げて、どれくらい貯蓄に回せて、どれくらい投資に回せるのか?
これを把握するために絶対的に必要な能力が、「家計管理能力」です。

収入を増やし、支出を適切に管理することができて初めて、投資の話をすることができるようになります。

こういった基本的な部分を疎かにしてしまうと、せっかく貯めたお金を、博打のような、投資とも呼べないようなものにつぎ込んでしまうリスクが高まってしまいます。

まずは、貯蓄を増やせる優良な家計設計をするための管理能力を得ることが最優先です。

貯蓄を増やすのに"高年収"は不必要

「年収が高くないと、貯蓄も思ったように増やせないのでは?」
と思う方もいらっしゃると思います。

確かにそれも一理あるのですが、年収が高ければ、その分生活レベルも上げてしまうのが人間の性であり欲です。

あなたは、今の年収が倍になったとして、今の生活レベルを維持し続けられますか?
貯蓄を増やすのに、「高年収であること」というのは、必ずしも必要な要素ではありません。

今の年収でも、家計を管理して優良家計にしていくことで、貯蓄は必ず増やせるようになります。

伝統的な資産(株式や債券)から投資を始める

株式は債券は、「伝統的資産」と呼ばれる金融資産です。
最初の投資対象は、株式や債券などの伝統的資産から始めるのがおすすめです。

なぜ伝統的資産が良いのかというと、長年投資対象となっているだけあって、他の投資と比べて質の悪い投資対象が少ないからです。

下記に挙げるような投資対象は、玉石混交で、必ずしも初心者の投資に適したものとは言えません。

  • 仮想通貨
  • FX
  • 不動産
  • ソーシャルレンディング

もちろん、これらの投資で利益を上げている人も多くいるのは事実なのですが、考えなければならないことや事前に必要な知識などが多く、初心者が取り組むには難しいものばかりです。

次のような要素には注意が必要

投資対象は「伝統的資産」とわかっていても、誘惑はいろんなところにあるものです。
次のような要素には注意しないといけません。

  • 派手な広告
  • 目新しい技術を謳ったもの
  • スタイリッシュなデザインのページ
  • 「一夜にして大儲け」などロマン溢れる言い回し

これも一概に全てが悪いとは言い切れませんが、こういったものに惑わされてしまうのも、金融リテラシーの低さが招きます。

上記のような情報を提供している金融サービス業者が増やしたいのは、顧客のお金ではなく、自分たちのお金です。
初心者であれば、株式や債券を中心に据えた優良ファンド(投資信託)から投資をスタートするほうが圧倒的に低リスクでおすすめです。

投資は「少額から」始める

まずは、本記事における資産の定義について説明します。

資産とは、「購入した金額以上のお金を生み出してくれるもの」のことです。

  • 10万円で買ったものが20万円で売れる
  • 10万円で買ったものが、元本はそのままに毎年3,000円のお金を生み出す

上記が資産の定義だと思ってもらえればOKです。

最初から大金を突っ込んで資産を買ってはいけない

このように説明すると、「それなら一気に資産を買い込めばリターンもそれだけ大きいだろう」と思ってしまうかもしれませんが、投資にはリスクが付きものです。

資産を購入した後、投資元本がこの先どうなるかは、誰にもわかりません。
2倍になるかもしれないし、半分になるかもしれない。
下手したら5倍くらいになってしまうかもしれません。

「銀行預金への預け入れ」という、お金そのものの価値がほとんど変動しない(ように見える)ものに慣れきっている人にとって、資産の時価が毎日変動するという経験は、かなり新鮮に感じるものと思います。

投資初心者にとって、「値動きになれる」ということが、最初の課題とも言えます。

  • どんなニュースがあるとどれくらい値動きが起こるのか
  • 1年で大体どれくらい値動きがあるのか

上記のようなことが肌感でわかるようになってきたら、自分が許容できそうなリスクの大きさに合わせて、徐々に投資する金額を増やしていくと良いでしょう。

最初は右も左もわかりませんので、まずは少額から始めて、安全を確認しながら投資金額を増やしていきましょう。

手数料はなるべく払わない

投資をする際には、様々な手数料がかかります。
代表的なものは、下記のとおりです。

  • 販売手数料:株やファンドの購入時にかかる
  • 運用手数料:ファンドの運用時にかかる
  • 取引手数料:株式のトレードにかかる
  • 為替手数料:外貨建ての資産を買う時や外貨両替時にかかる
  • 口座手数料:口座を開設・維持する時にかかる
  • アドバイスフィー、コンサルフィー等:投資助言に対してかかる

資産運用の鉄則は、なるべく手数料を払わないことです。

ファンドによっては、運用手数料が年率2%になるようなものもあります。
例えばこのファンドに100万円投資したら、1年間で、運用手数料だけで2万円払わなければなりません。
10年で20万円払うことになります。
これでは、思うようにお金が増えるはずがありません。

投資の世界は、「高い手数料 ≠ 高い成果」

投資初心者ほど、「高い手数料を払えば、それだけ高いリターンが見込めるのではないか?」と思ってしまいがちです。
しかしながら、歴史的に見れば、必ずしもそうとは言えない事実があります。

優良商品ほど手数料が安いのが、資産運用の世界です。
高い手数料に見合う成果を残せる投資商品は、かなり少数派です。

「手数料は1円でも安く!」の姿勢が大切です。

節税をきちんとする

手数料と同じように、税金も、なるべく払ってはいけないものの代表格です。

資産運用の成果として、下記のような場合に税金がかかります。

  • 資産の売却により、値上がり益をゲットした
  • 資産から利子、配当金をゲットした

この税率が結構大きくて、大体利益の20%程度を持っていかれてしまうと思ってください。

例えば、50万円の株式が100万円に値上がりして、それを売却したとします。
この時の利益は50万円ですが、このうち税金分として「50万円 × 20% = 10万円」が発生することになります。

税金だけでこれだけ持っていかれてしまうと、なかなか厳しいものがありますよね。

税制優遇を活用しよう

上記のような税金の支払いを防ぐ手段として、国が定めている税制優遇があります。
それが「NISA」「つみたてNISA」「iDeCo」というわけですね。

こういう制度を積極的に利用して、税金はできる限り払わないようにしましょう。

上記の制度は、国が利用を推し薦めている、れっきとした節税策です。
制度を利用せずに無駄に税金を払っていたら、資産が貯まるスピードも減少してしまいます。

投資初心者におすすめのファンドは?

ここまで読んで頂いた中で、「結局、実際に資産運用を始める際に、どんなものを買っていけば良いのか?」という疑問が沸いている方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは、そういった方のためにおすすめのファンドを紹介します。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

ズバリおすすめのファンドは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」というファンドです。

名前が長く、わかりにくいかもしれませんが、どういったファンドなのか説明していきます。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とは

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、「三菱UFJ国際投信」が2018年7月に販売を開始したファンドのことです。

このファンドの特徴は、ファンド名にもある通り、「S&P500」に連動したインデックスファンドであるというところです。

「S&P500」というのは、米国の主要企業500社から構成されており、米国の株式市場を代表する伝統的な指数のひとつです。

このファンドは、この「S&P500」に連動するように設計されているのです。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の魅力

続いて、このファンドの魅力について説明していきます。

①S&P500に連動した成果が狙える

S&P500は、「世界最強」と名高い株価指数で、「10年・30年・50年」という長期間で見ても右肩上がりの成長を続けてきています。

実は、世界中の株式の時価総額を見ると、半分以上は米国企業が占めています。
その米国の代表的な株価指数に投資をする、というのは、現代の証券理論においては極めて真っ当な投資判断ということができます。

投資に興味のある人なら一度は聞いたことがあるであろう世界的な投資家、ウォーレン・バフェット氏も、S&P500への投資を好意的に見ています。
「自分が死んだら、資産はS&P500に入れておくように」という遺言を残しているくらいです。

「このファンド1本で万事OK!」というわけではありませんが、資産運用をする際に中心になるファンドであることは間違いないと思います。

②運用コストが激安

このファンドに投資をする際にかかるコストは下記のとおりです。

  • 買付手数料:0円
  • 解約手数料:0円
  • 運用手数料(信託報酬):年率0.0968%

結局、かかっているのは運用手数料にあたる信託報酬のみで、それも0.1%以内に収まっているというかなりの低コストです。

例えば1,000万円の大金をこのファンドに投資したとしても、年間で9,680円しか運用手数料がかからない計算になります。
1日にすればたった26.5円と、冗談のような低コストです。

銀行や証券会社の窓口で買うようなファンドだと、このレベルのものはまずないと思っていいでしょう。
年率2〜3%のものが中心だと思います。

手数料だけでも、初年度から大きな差がつくことは誰の目から見ても明らかですね。

③つみたてNISAの活用により運用益を非課税にできる

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、つみたてNISAに対応しているファンドです。

つみたてNISAは、2018年〜2037年の間に投資をした場合、投資をしてから20年間は売却益や配当金に税金がかからない制度で、毎年40万円まで投資可能です。

つみたてNISA対応のファンドとして認められるには、金融庁が設定した厳しい基準をクリアしなくてはなりません。
どんなファンドでもつみたてNISAが使えるわけではないんですね。

そういった目線でも、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が信頼に値するものであることがわかります。

つみたてNISAは毎年40万円までしか投資ができないと思ってしまう方もいると思います。
個人投資家は、ついついリスクを取りすぎてしまうものですので、つみたてNISAのように投資上限額が決められているというのは、逆にメリットだと考えることも出来ます

「少額を長期間、コツコツ投資する」というスタイルは、投資の世界ではリスクを抑える有効な方法として用いられている手法でもあります(これを「ドルコスト平均法」といいます)。

「月3万円も投資できない…」という人は、最低100円からでも投資できますので、やらない理由がない投資といえます。

S&P500に投資する際の懸念点

S&P500がおすすめの投資先であることは間違いないのですが、完全無欠というわけではありません。

S&P500指数を見ると、直近10年間の成長が凄まじ過ぎるのです。

Google Financeより引用

最近では、「景気後退期に入るのではないか」という見方もあり、2020年代のリターンは、2010年代ほど高くはならないだろうと言われています。

したがって、短期でお金を増やしたい人にとっては全く向かない投資ということが出来ます。
S&P500への投資は、あくまでも人生の基盤を作るための長期投資の目線でやっていくことが重要です。

S&P500は、これまで50年以上にわたって右肩上がりの成長を続けてきた最強の株価指数です。

目下のアメリカの人口動態は増加傾向で悪くなく、イノベーションが起きやすい文化もあります。
金融法制もしっかりしており、投資対象としては今も恵まれた国である事実は変わりません。

S&P500に投資した後は?

残念ながら、「S&P500に投資をすれば、後はOK!」というわけではありません。

米国株が、世界の株式市場の時価総額の半分を占めていることは事実です。
「半分もある」という見方もできれば、「半分しかない」という見方もできます。

S&P500のみへの投資は、「米国一点集中投資」ということでもあります。
そこで、S&P500のファンドを中心に据えつつ、欧州や新興国などの株式ファンドを追加したり、先進国の債券を購入してリスクヘッジをしたりするような調整(これを「アセットアロケーション」といいます)が必要になってきます。

初心者がいきなりここまでやろうとすると、ほぼ必ず挫折します。
なので、まずは誰でも出来てリスクも限定的な「S&P500」への投資を始めてみることからやってみると良いのではないかと思います。

つみたてNISAを使って少額からスタートして、投資中に少しずつ勉強をしていきながら、少しずつ調整を加えてみる、というスタンスで良いと思います。

まとめ

本記事では、投資初心者が正しく投資を始めるために重要な考え方と、超シンプルな投資の始め方について解説してきました。

このファンドは、ネット証券大手の「楽天証券」で購入することができます。

  • 国内外の投資対象が豊富にある
  • 手数料業界最安クラス
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  • 楽天ポイントや、楽天カードによる投資も可能
    • 楽天カード投資の場合はきちんとポイントが付く

などなど、特にこれといった弱点が見当たらない証券口座です。

口座開設は、説明に従ってすぐにできます。
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日本においては、今後も消費税は上がり続けているだろうし、少子高齢化に伴って社会保険料もますます上がっていくでしょう。
しかしそれに付随して給料が上がっているわけではないのが現実です。

そんな中でも、自分で老後資金を確保していかなければならないのが、今の現役世代が置かれている状況です。

「長期的な資産運用でお金を増やす」という選択肢を持っておくことが、死ぬまでゆとりを持って生活していくための重要なポイントになることは、間違いないでしょう。

本記事が、あなたの資産形成の参考になれば幸いです。
よろしければ、ブログへのコメントやTwitterなどで感想など頂けたら今後の記事作成の励みになります!

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以上、最後までお読み頂きありがとうございました!

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