投資を始めてみようと思って調べてみたら「NISA」や「つみたてNISA」というのが出てきた!でもよくわからないのでなかなか手が出せない…
このように思っている方は意外と多いです。
NISAもつみたてNISAも、国が推し進める投資優遇制度の1つですが、そもそもその内容について深く浸透しているわけではないのが現状です。
- 結局、NISAやつみたてNISAは使うべきなのか?
- 得になる?損になる?
- どれを使えば良いのか?
本記事では上記の疑問に答えるべく、NISAやつみたてNISAについて解説していきます。
NISA・つみたてNISAとは
NISAやつみたてNISAは、証券口座の1つである「一般口座」の派生形のようなものです。
一定の制限があるものの、利用するメリットがある制度です。
一定の制限や、使うメリットについては、普通の証券口座との違いを見ていくことで簡単に整理することができます。
それぞれ見ていきましょう。
通常の証券口座・NISA口座・つみたてNISA口座の違い
では、具体的に通常の証券口座(特定口座・一般口座)とNISA口座やつみたてNISA口座のどこがどのように違うのかを、いくつかのポイントで見ていきましょう。
年間投資額
通常の証券口座
年間の投資額に上限はありません。
いくらでも投資が可能です。
NISA口座
年間120万円までの上限があります。
つみたてNISA口座
年間40万円までの上限があります。
運用できる商品
通常の証券口座
運用できる商品に制限はありません。
株式を買おうが、債権を買おうが自由です。
NISA口座
株式、投資信託、ETF、REITなどが対象です。
つみたてNISA口座
「長期・積立・分散」で投資することが望ましい、一部の投資信託とETFのみに限定されています。
通常のNISA口座の投資対象範囲より狭いのが特徴です。
運用期間
通常の証券口座
制限はありません。
3日で売ろうが、30年持とうが自由です。
NISA口座
基本的には5年です。
この5年というのは、新規で投資できる期間のことを指しており、最初の5年で投資したものについては、もう5年運用することができます。
つまり、MAXで10年まで運用可能です。
つみたてNISA口座
20年です。
運用利益
通常の証券口座
株式などの投資商品を購入し、運用して得た利益(配当や売却益など)には、20%の税金が課税されます。
NISA口座・つみたてNISA口座
運用益は非課税です。
損益通算
損益通算とは、ある銘柄で出た損失を、他の銘柄で出た利益と通算し、利益を相殺することによって税金を抑えることができるシステムのことをいいます。
通常の証券口座
損益通算が可能です。
NISA口座・つみたてNISA口座
損益通算はできません。
NISA・つみたてNISAの特徴
続いて、NISAとつみたてNISAの特徴について整理します。
特徴は下記3点です。
- 運用できる商品が限られる
- 資産を途中で引き出すことが可能
- NISAかつみたてNISAのどちらかしか使えない
それぞれ順番に解説します。
特徴①:運用できる商品が限られる
NISAやつみたてNISAは、通常の証券口座に比べて投資できる対象が限定的です。
特につみたてNISAの方は、「長期・積立・分散」で投資することが望ましい、一部の投資信託とETFのみに限定されているため、NISAよりも投資対象は更に狭くなります。
ただ、それだけ投資対象が厳選されているので、つみたてNISAで大負けするような可能性は、相対的に低くなるでしょう。
特徴②:資産を途中で引き出すことが可能
通常の証券口座では、投資した金融資産を売却して現金化することがいつでもできますが、NISAやつみたてNISAも、同じようにいつでも売却して現金化することが可能です。
今回のメインテーマではありませんが、iDeCoは基本的に60歳になるまで資産を途中で引き出すことができないため、NISAやつみたてNISAは、iDeCoと比べて自由度の高い投資方法ということができますね。
特徴③:NISAかつみたてNISAのどちらかしか使えない
NISAとつみたてNISA、両方使えるなら使いたい
このように考える方もいらっしゃるかもしれませんね。
残念ながら、NISAとつみたてNISAは、どちらかしか使うことができません。
自分の投資スタイルに合わせ、より合う方を選択する必要があります。
NISA・つみたてNISAのメリットとデメリット
続いて、NISA・つみたてNISAのメリットとデメリットについて整理しましょう。
メリット①:運用益は非課税
NISAもつみたてNISAも、投資によって得られる利益に税金はかかりません。
先程、通常の証券口座では、運用益に20%の税金がかけられることを説明しましたが、NISAやつみたてNISAで投資をすれば、この20%が0%に変わります。
その代わり、投資金額や投資対象に制限がある、ということですね。
メリット②:つみたてNISAの場合は、金融庁お墨付きの厳選ファンド
投資対象範囲が最も限定されているつみたてNISAの場合は、そもそも投資できるものがかなり限られています。
これは、金融庁が厳選した、いわゆる"お墨付き"のファンドということもできます。
つまり、つみたてNISAで投資をする際は、どのファンドを選んだとしても、大きく損をする可能性は低くなります。
通常のNISAは、個別株も投資対象になっていたりと、もう少し範囲が広く、運用期間もつみたてNISAより短いため、投資中級者向けといえるかもしれません。
デメリット①:一度売ると非課税枠の再利用ができない
NISAもつみたてNISAも、一度売却すると、売却した分の非課税枠を再利用することができません。
例えばつみたてNISAの場合、年間投資額の限度は40万円です。
仮に40万円分の枠を使い切ったとして、年内に40万円のうちの20万円を売却したとします。
このとき、20万円を売ったからといって、年内にまた20万円分をつみたてNISAとして買うことはできません。
あくまでも年間で購入できる金額の総額が40万円である、ということですね。
デメリット②:損益通算ができない
NISAやつみたてNISAで投資をした場合、通常の証券口座(特定口座・一般口座)の損益と合算することはできません。
例えば、NISA口座で30万円分の損失を出し、一般口座で30万円分の利益が上がった場合でも、利益相殺して税金ゼロにはできず、一般口座の30万円の利益に対して税金が課されることになります。
デメリット③:運用期間に制限がある
運用期間は、NISAの場合は5年(保有は最大10年)、つみたてNISAの場合は最大20年です。
これはあくまでも"最大"の運用期間なので、任意のタイミングで運用中の金融商品を売却して引き出すことはできます。
結論、やったほうが良いの?
ここまでNISAやつみたてNISAについて詳しく見てきましたが、「メリットだけでなくデメリットもそれなりにあるし、結局のところやったほうが良いのか?」という新たな疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
結論は、「資産形成を目的にするならアリ!」でしょう。
特につみたてNISAは、S&P500のような、長期的な成長が見込めるインデックスファンドとの相性が抜群に良いです。
S&P500については、下記記事で詳しく解説していますので、興味のある方はあわせてご覧ください。
普通に投資するとしても、少額の投資の場合は、通常の証券口座よりもNISA口座が選択肢に入ってくると思います。
ただし、投資は「何を買うか」がとても大事です。
NISAもつみたてNISAも、ただの証券口座に過ぎず、非課税投資枠という箱でしかありません。
この箱をどのように活かすかというのは、まさに投資家自身の腕の見せどころになってくるわけですね。
もし、まだ証券口座を開設していないのであれば、まずは証券口座の開設から行いましょう。
「楽天証券」は、日本でも有数のネット証券会社で、NISA・つみたてNISA・iDeCo口座もネットで簡単に開設することが可能です。
この機会に、ぜひ作ってみてくださいね。
まとめ
今回は、NISA・つみたてNISAについて、概要や特徴、メリット・デメリットなどを解説しました。
やってみないとなかなか理解が難しい部分もあるかと思いますので、まずは証券会社に登録し、NISA・つみたてNISA口座を開設するところから始められると良いと思います。
本記事が投資のお役に立てれば幸いです。
お金の知識を網羅的に付けたい方は、下記の書籍を読むことをおすすめしています。
マネーリテラシーを付けて経済的自由を目指したい場合は、ぜひ読んでみてください。
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